妊娠22週2日で出産 家族で過ごす最期の時間【体験談②】

妊娠・出産

陣痛から出産までの詳細「妊娠22週 500gの赤ちゃん出産 大きな決断」の記事を先に読んでいただけると幸いです。

こちらの記事は出産後、赤ちゃんとの面会〜看取りまでの体験談になっております。

赤ちゃんとの面会

初めてNICUに面会に行った時は、500gの赤ちゃんの小ささに驚き、たくさんの管や機械に繋がれ一生懸命生きている我が子に涙が止まりませんでした。酸素の値も悪く、苦しいのではないか、いきなりお腹の外に出されて寒くないかななど、自分には何もできなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。

21時近くにまた夫とNICUに面会に行った時は、酸素の値も良くなっていて、少し安心しました。看護師という職業柄、すぐにいろんな数字に目がいってそれが正常の値であるのか確認してしまうんですよね。

初めて息子の手に触れたり、動く様子を眺めたりして家族3人で2時間近く過ごしました。

「ママだよ、頑張っているね。えらいね」と声かけたことは覚えています。

「頑張ってね」とは言えません。

23時頃、徐々に心拍数が下がり始め酸素の値も測定不可となり、「その時がくる」とわかりました。そして生後6時間頑張って生きた息子は亡くなりました。事実を受け入れるのは時間がかかるものですね。涙は止まらないのですが、なぜか落ち着いている自分もいました。

最期の時間

息子が亡くなり、ただ立ち尽くしている私達にNICUの看護師さんが声をかけてくれました。

看護師
看護師

何か赤ちゃんとしたいことはありますか?

はるのひ
はるのひ

・・・何ができますか?

看護師
看護師

抱っこして家族写真を撮るのはどうですか?

赤ちゃんとやりたいこと・・・正直何も思いつかないし逆にどういうことならしていいのかわからなかったのです。

急な出産でデジカメやビデオカメラなど持っていませんでした。NICUはスマホの使用も禁止なため、写真を撮れるものがないと伝えると、病院のデジカメで撮れますと言っていただき、お願いしました。

呼吸器の機械から管が外され、初めて抱っこした時は嬉しい気持ちもありましたが、生きていたらもっと嬉しいのにと複雑な気持ちでした。写真を撮ってもらう時もどんな顔をしていいのかわからず、なかなか笑顔にはなれません。

その後は死後の処置をしてもらい、小さな箱に入れられ息子は私の入院する病室に戻って来ました。

赤ちゃんとの思い出

翌朝、NICUの看護師さんが来てくれました。前日に撮った写真をメッセージ入りのミニアルバムにして持って来てくれたのです。

その中には、がんばって生きた息子へのメッセージがたくさん入っていました。夜勤の忙しい時間にこんなにも素晴らしいものを作っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

この子が生きた証、最初で最後の家族写真を撮ることができ、一生の思い出となりました。あの時、看護師さんに声をかけてもらえなかったら、何も残らなかったと思います。

産婦人科の助産師さんも、赤ちゃんの箱に一緒に入れてくださいとメッセージカードを作ってくれました。息子が入ってる箱はたくさんのお花やメッセージカードでとても華やかになりました。

担当の助産師さんからの言葉

私を担当してくださっていた助産師さんが朝病室にきてくれました。

「はるのひさん、まずは出産おめでとうございます。はるのひさんも、◯◯くんも頑張りましたね。

必ず◯◯くんは、はるのひさんのところに戻ってきますよ。

出産してから、「おめでとう」という言葉を言われたのはこの時が初めてです。この子が生まれたことを祝福してもらうことができて、嬉しくて涙が止まりませんでした。

そして、また私の元に戻ってきてくれる…その言葉が私に希望をくれたのです。

「ママのところに生まれてきてくれてありがとう。次は絶対守るからね。」素直にそう思えました。

退院後の様子

退院して家に帰ると、一気に現実を突きつけられました。悲しい辛い気持ちが強いと声も出せないくらい、息もできないくらい泣くんだなと初めての経験です。

夜中、本当だったら授乳やおむつ交換をするのに、私には息子の体を冷やす氷の交換しかできることがない。

「もし生きてたら…」と想像しては、それが現実ではないとわかったとき、1番辛いんですよね。

親として、しっかり息子をお見送りしました。

まとめ

この時の妊娠、出産は本当にいろんな方との出会いに感謝します。

NICU、産婦人科の看護師さん助産師さんの素晴らしい看護のおかげで、辛い出来事を乗り越えられたのだと思っています。

医療者の一言は、ものすごく影響力があるのだと身をもって感じました。また私自信看護師として、患者様の最期の時間を後悔のないように過ごせるよう、看護していきたいと心から思いました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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